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しょくじとよだれ。

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音の肥糧を君に蒔く ≪7:16≫

拍手用に短いのを何個か書こうと思ってたら長くなったので。

ありきたりなものを書きたかったというか前の2作のおやずぃが敬語使ってたので口の悪いおっさんを書きたかったというか



7:16


携帯が鳴った。

「…もしもーし」
「あ、おはようございまーす。仲山です」
「…仲山?こんな時間に何の用だ…」
「こんな時間って出勤40分前ですよ。まだ寝てたんすか?」
「いや、そろそろ起きようと思ってた…」
「まぁいいや。あと20分くらいしたら迎えに行くんで用意しといてくださいねー」
「は?なん…切りやがった…」

プツッと切れる音に鳥肌が立った。
携帯を枕元の机に置き、もう一度寝るべくもぞもぞと布団に潜る。
が、すぐに20分にセットしておいた目覚ましが鳴った。

「ああくっそ仲山の野郎…」

寝起きが低血圧な為、ベットから少し離れたところに目覚ましを置いている。
起き上がらず、カーペットに這いつくばって止めにいく。
起き上がらないと意味はないのだろうが、まあそれでも体は動くから一応目は覚める。

「あいつ何のつもりで迎えに来んだ…」

言葉に出して、ふと、昨日仲山と飲みに行っときの事がよぎった。



「俺ね、宮古さんの事が好きなんですよね」

何言ってるんだこいつは。と思った。
だが仲山はいつもの締まりのない顔はしておらず、たまにしか見ることのない、真剣な顔をしていた。
ぞくりと全身に電気が走ったような感覚がした。
周りは変わらず賑やかなのに、自分の周りだけ別空間みたいな、なんとも耐えがたい空気に言葉が思うように出なかった。

「まあ、そうゆうわけなんで明日迎えに行きますね」
「…は?なんで」
「いやだなぁ。一緒に通勤なんて青春じゃないっすか」

40過ぎのオヤジと青春を共用しようなんて間違ってるぞ若者よ。
仲山の顔は緩い見慣れた顔に戻っていて、少し落ち着いた心で呟いた。
にこっと微笑まれ、俺はホッと胸を撫で下ろした。


…そうだ、仲山はそんなことを言っていたんだ。
昨日の記憶のかけらを、やっと目覚めてきた頭でかき集めながら考える。
酒には決して弱い方ではない。
しかし昨日のことを途切れ途切れにしか思い出せないとこをみると、結構酔ってしまったらしい。
それが酒の飲み過ぎなのか、仲山の変な発言のせいなのか。
普段朝っぱらからこんなに頭を使うことはない。
低血圧のせいか慣れないことをしたせいか、気持ちガンガンする頭に耐えながら支度をし始めた。

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